公式ガイドで学ぶChatGPTのプロンプト活用術
目次
プロンプトとは? - 基本的な概念
プロンプト(Prompt)は、ChatGPTのような言語モデルに対して与える指示や質問を指します。これらの指示が、AIの出力を直接的に制御します。例えば、ChatGPTに「今日の天気は?」と尋ねるのもプロンプトの一つです。プロンプトが明確で具体的であればあるほど、AIはより精度の高い回答を生成することができます。
プロンプトは、AIが提供する情報の質を決定する重要な要素です。適切に設計されたプロンプトは、AIの能力を最大限に引き出し、ユーザーが求める正確で有用な情報を提供するのに役立ちます。逆に、曖昧なプロンプトは不正確で役に立たない回答を引き起こす可能性があります。
なぜプロンプトにこだわる必要があるのか ー プロンプトの重要性
プロンプトにこだわる理由は、その質がAIの応答の質に直結するからです。プロンプトが具体的で詳細な場合、AIは質問の意図をより正確に理解し、求められる情報を適切に提供することができます。例えば、次の2つのプロンプトがある場合、AIの回答の精度は全く違います。
- 曖昧なプロンプト:
「この文章を要約してください。」 - 具体的なプロンプト:
「以下の文章を2-3文で要約し、主要なポイントと結論を強調してください。」
具体的なプロンプトは、AIに対して期待する結果を明確に伝えるため、出力が的確であることが多いです。仕事で生成AIを活用したいと考えている場合には、プロンプトの質がプロジェクトの成果に大きな影響を与えるため、プロンプト設計にこだわることが重要です。
より良いアウトプットを得るための6つのポイント
明確な指示を書く
プロンプトには、できるだけ具体的で明確な指示を含めることが重要です。曖昧な質問や要求は、AIが誤解したり、期待外れの応答を生成する原因となります。明確な指示があることで、AIは意図を正確に理解し、より適切な回答を提供することができます。
例 :
指示が不明確なプロンプト
指示が明確なプロンプト
曖昧なプロンプトは、AIは質問の意図を具体的に理解することが難しく、結果として広範で漠然とした回答を提供することがあります。今回の例では、AIはどの分野やどの時期のトレンドを指しているのかがわからず、一般的な情報を提供することになります。
一方で明確なプロンプトの場合は、AIは質問の目的や範囲をより正確に把握できるため、詳細で的確な回答を生成することができます。今回の例においては、対象とする分野(デジタルマーケティング)、時期(2023年)、出力形式(リストと各項目の説明)が明確に指定されているため、AIは期待に沿った具体的な回答を提供します。
参照テキストを提供する
プロンプトに信頼性の高い情報源や参考文献を含めることで、ChatGPTの応答の正確性と信頼性を大幅に向上させることができます。参照テキストを提供しない場合、AIは自身の訓練データに基づいて推測を行い、一般的な情報や不完全な回答を生成することがあります。
例えば、「量子コンピュータの動作原理を説明してください」というプロンプトでは、AIは過去の知識に基づいて応答しますが、最新の研究や具体的な技術的詳細を含む正確な説明には限界があります。
一方で、論文等を参照テキストとして入力した場合、AIはその論文の内容を基にして正確で詳細な説明を生成します。モデルに対して、指定されたテキストに基づいて回答するように指示することで、誤った情報や不確実な回答のリスクを減らすことができます。
複雑なタスクをより単純なサブタスクに分割する
複雑なタスクをシンプルなサブタスクに分割することで、AIのエラー率を低下させ、より精度の高い結果を得ることができます。これは、特に長い手順や複雑なプロセスを説明する際に有効です。タスクを段階的に分解することで、AIが各ステップに焦点を当て、より詳細で正確な応答を提供することが可能になります。
例えば、商品のキャッチコピーを生成AIで作成したい場合に、最初からキャッチコピーを生成させるのではなく、以下のように段階的に分解すると効果的です。
- 商品の重要な特徴の洗い出し…「ターゲット層にとって魅力的なこの商品の特徴を5つ挙げてください。」
- メッセージのトーンとスタイルの決定…「ターゲット層にアピールするために、この商品の特徴をどのようなトーンとスタイルで伝えるべきですか?(例えば、カジュアルで親しみやすい、またはプロフェッショナルで信頼性が高いなど)」
- キャッチコピーの生成…「上記の情報に基づいて、この商品のキャッチコピーを3つ生成してください。」
モデルに「考える」時間を与える
AIに即座に回答を求めるのではなく、「考える」時間を与えることで、応答の正確性が向上させることがあります。特に複雑な計算や論理的推論が求められる状況では、このアプローチが効果的です。AIには、すぐに回答を求めると、推論エラーを起こしやすくなるという特徴があります。答えを出す前に段階的な思考の連鎖(チェーン・オブ・ソート)を促すと、回答の正確性向上が見込まれることが分かっています。
外部ツールを使用する
AIモデルの限界を補うためには、外部のツールやリソースを利用することが非常に有効です。他のツールの出力をモデルに入力することで、モデルの弱点を補強し、より正確な応答を生成することができます。これには、テキスト検索システム(RAG:Retrieval-Augmented Generation)、コードの実行エンジン、APIの呼び出しなどが含まれます。ChatGPTで有料プランを利用している方は、GPTs、Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)等でChatGPT内で利用を体験できます。
プログラミングの知識がなくても簡単にできますので是非試してみてください。
変更を体系的にテストする
プロンプトの設計を改善するためには、変更が実際にパフォーマンスを向上させるかどうかを体系的にテストすることが重要です。これには、実際の使用ケースに基づいた評価や、複数のテストケースを用いた検証が含まれます。テストを行うことで、どのプロンプトが最も効果的かを判断し、システムのパフォーマンスを最適化するためのデータを収集することができます。
まとめ
プロンプトは、ChatGPTのようなAIモデルの出力を制御する重要なツールです。適切に設計されたプロンプトは、モデルの能力を最大限に引き出し、高品質な回答を得るために不可欠です。本記事では、プロンプトの基本的な概念とその重要性、プロンプト設計の6つのポイントについて説明しました。
明確な指示を提供し、参照テキストを使い、タスクを分割し、モデルに考える時間を与えることで、AIの応答の質を大幅に向上させることができます。また、外部ツールの活用や変更の体系的なテストを通じて、プロンプトの効果をさらに高めることが可能です。
RAGやタスク分割を仕組み化したいという方は、システム化をおすすめします。
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