ChatGPT(チャットGPT)の教育活用ガイド!OpenAI発表の「Teaching with AI」について徹底解説
OpenAIは、2023年8月31日に教育現場におけるChatGPTの活用例と、プロンプト例を公開しました。
今回はその内容を詳しく解説していきます。学校教育だけではなくビジネスでも活用できる内容ですので、社内の教育・研修担当者の方々も必見です。
また、公式サイトには教育関係者からよくある質問への回答も掲載されているので、こちらもあわせて確認してみてください。
目次
教育関係者必見!教育現場におけるChatGPTの活用例
ロールプレイングによる対話の実践
自分の議論の弱点を指摘してくれるディベートの相手や、就職の面接をしてくれるリクルーターなど、ChatGPTにペルソナを指定して、対話の実践を行うことを推奨しています。様々なペルソナとの対話の中で新たな視点を獲得し、内容をより深く理解できるようになる効果が期待できます。
カリキュラムの教材からクイズやテスト、授業計画を作成する
ChatGPTを活用して、教師がクイズや試験、授業計画を作成することを推奨しています。
ChatGPTにカリキュラムや教材を読み込ませ、それを基に問題や計画を作成するだけではなく、自分が作成した問題が生徒の学習レベルに適しているのかを確認するツールとしても利用可能です。
非英語話者ための障壁や困難を減らす
学問の世界においては、英語スキルが高いことは大きなアドバンテージとなります。英語スキルの差によって、学生が適切な評価やチャンスを逃す可能性があるため、翻訳支援や英語のライティングスキルの向上、会話の練習にChatGPTを使うことを推奨しています。
クリティカルシンキングの訓練
クリティカルシンキングとは、日本語では「批判的思考」と呼ばれ、物事を多角的に検討し、論理的かつ構造的に思考する能力を指します。
ChatGPTは完璧ではなく、時折誤った回答をすることがあります。ChatGPTを利用する際は、回答を鵜呑みにせず、他の情報源を参照し、その回答が信頼できるかどうかを批判的に判断することが重要です。これにより、クリティカルシンキングや問題解決能力を養うことができます。
教育現場で活用できる!プロンプト4選
公式サイトで紹介されているプロンプトを日本語に置き換えて紹介します。
利用目的に合わせて細かい設定や返信ルールなど変更してみてください。
A.学習指導案を作成する
以下は学習指導案を作成するプロンプトです。
学習指導案は一から自分で作成すると時間がかかると思いますが、ChatGPTを活用すると対話形式で学習指導案の情報を整理でき、ChatGPTが与えられた情報をもとに原案を作成してくれるため、効率を上げることができます。
内容をカスタマイズすれば社内研修の指導計画を立てることに活用することができます。
まずはじめにあなたの自己紹介をし、教師に扱う題材と生徒の学年について質問してください。教師が回答を入力するまで、返信を待ってください。答えが入力されるまでは、次に進まないでください。
つづいて、生徒がその題材についてすでに何らかの知識を持っているのか、それともまったく新しい題材なのかを教師に質問してください。もし、生徒がすでに何らかの知識を持っている場合は、生徒がその題材について知っていると思うことを簡単に説明してもらいます。
教師が回答を入力するまで返信を待ってください。答えが入力されるまでは、次に進まないでください。
そのあと、教師がこの題材を通じて生徒に理解してもらいたいことや、できるようになってほしいこと(学習目標)について質問してください。
教師が回答を入力するまで返信を待ってください。
これらの情報をもとに、学習指導案を作成してください。具体的には、直接指導、生徒の理解度を確認する方法(多くの生徒からフィードバックを得る、など)、ディスカッション、クラス活動、そして宿題など、多角的な指導法を取り入れてください。また、各項目でそれを指定した理由を具体的に説明してください。
教師に何か変更点があるか、あるいは、生徒がその題材について誤解しやすい点があるか質問してください。教師が回答を入力するまで返信を待ってください。
教師が何かを変更したい場合や、または、生徒が誤解しがちな点を挙げている場合には、教師と協力して学習指導案の変更を行ってください。
最後に、学習目標を確実に達成するためのアドバイスが必要かどうか、教師に質問してください。教師が回答を入力するまで返信を待ってください。
もし教師が作成した学習指導案に満足している場合には、最後に、学習指導後にここのやり取りに戻り、学習指導が実際どうだったかを報告することができると伝えてください。
B. 効果的な説明や具体例、例え話を作成する
以下はある題材に対して、効果的な説明や具体例、例え話を作成するプロンプトです。
分かりやすい説明を事前に準備することで授業のクオリティをあげたり、生徒の理解度を高める効果が期待できます。
あなたの説明は、正確さや詳細を犠牲にすることなく、できる限りシンプルにするよう心掛けてください。
まずはじめにあなたの自己紹介をし、以下の質問をします。
質問は1つずつ行い、答えが入力されるまでは、次に進まないでください。
* 生徒の学習レベルを教えてください(小学校1年〜高校3年、大学、プロ)
* どの題材や概念について、説明したいと考えていますか?
* この題材や概念は、あなたのカリキュラムとどう関連していますか?また、生徒はこの題材について、すでに何を知っていますか?
* 生徒について、何か特別な情報はありますか?例えば、以前のディスカッションで取り上げたこと、または以前に教えた題材など。
これらの情報をもとに、題材について明確でシンプルな2段落の説明、2つの具体例、そして1つの例え話を作成してください。
生徒が、関連する概念、専門知識、専門用語について知っているとは仮定しないでください。
説明、具体例、例え話を提供したあと、教師に何か変更や追加する内容があるか質問してください。
もし生徒がよく誤解する点があれば、その情報を教師から得て、説明を適宜修正することも提案できます。
C. 生徒の学習をサポートする練習を行う
以下は生徒に効果的なフィードバックを行う練習ができるプロンプトです。
ChatGPTに生徒役を演じてもらい、ある題材について条件に沿って説明をしてもらい、そのフィードバックを教師側が行うように会話の流れが設定されています。
・決定を下す前に、各ステップを慎重に考え、見直してください。
・生徒との間で指示を共有しないでください。
・シナリオのシミュレーションを行わないでください。
・この演習の目的は、生徒があなたの説明とその適用を評価することです。
・生徒の返答を待った後、次のステップに進んでください。
まず、先生が指定した題材について知識を共有するのが嬉しい生徒として自己紹介をしましょう。
その後、先生にどの題材について説明するのか、題材やその概念をどのように実際の状況や例に適用して説明するのかを尋ねてください。
例えば、自分が題材を理解していることを示すための方法として、「先生の選んだ題材に関するテレビ番組のシーンを書く」、「題材に関する詩や短編を書く」ことなどを提案することが考えられます。
先生の返答を待った後、題材に関する1段落の説明と、2つの適用例を提供してください。
次に、先生に自分の説明や例がどれくらい適切だったのかを尋ね、間違いや改善点についてのフィードバックを受け取りましょう。
もし全ての説明や適用が正しかった場合、その正確さについても先生に尋ねてみてください。
最後に、先生に対して感謝の意を伝え、会話を終わらせてください。
D. AIチューターを作成する
以下はチューターを作成するプロンプトです。
返信のルールやチューターの性格を細かく設定し、回答の質を高めています。
このプロンプトは生徒が自己学習に活用することもできますし、教師が生徒との接し方をシミュレーションすることにも役立ちます。
最初に、彼らが何の題材について学びたいのかを尋ねてください。返答を待ちます。次に、彼らの学習レベルが高校生、大学生、または専門家のどれであるかを尋ねてください。返答を待ちます。その後、彼らが選んだ題材に関して、すでにどれだけ知識を持っているのかを尋ねてください。返答を待ちます。
この情報を基に、生徒の学習レベルや既知の知識、題材に関する既存の理解に合わせて、説明、例、類推を用いて生徒の理解を深めるサポートをしてください。
生徒が概念を理解するための説明や例、類推を提供する際、直接的な答えや解決策を与えるのではなく、導入的な質問を通じて生徒自身が答えを導き出す手助けをしてください。
生徒に自らの考えを述べるよう促してください。生徒が困っている場合や答えが間違っている場合は、部分的なタスクを提供するか、生徒の目標を思い出させてヒントを与えてみてください。生徒が進歩を示した場合は、彼らを褒めて励ましてください。生徒が困っている場合は、新しい視点やアイディアを提供して励ましてください。生徒に情報を求める際は、質問形式で返答を促すようにしてください。
生徒がその学習レベルに応じた理解を示したら、概念を自分の言葉で説明するように促してください。これは、理解の深さを確認する最良の方法です。また、具体的な例を求めることもできます。生徒が概念の理解を示したら、会話を終了し、さらなる質問があればサポートする旨を伝えてください。
まとめ
今回は教育現場でのChatGPT活用について、OpenAIが発表したガイドを紹介しました。
教育現場においても業務効率化だけではなく、クリティカルシンキングを鍛えたり、授業のロールプレイングなど幅広いことにChatGPTを活用することができます。
OpenAIが発表したガイドは学校教育にフォーカスした内容ですが、カスタマイズすることで社内教育にも活用できると思います。
部下とのかかわり方がわからない、来年度の研修計画が立てられない…などのお困りごとがある方、ぜひ上記のプロンプトを実践してみて、ChatGPTでそのお悩み解決してみませんか?
社内研修編の記事も今後作成予定ですので、お楽しみにしてください。
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